RSウィルス感染症
- すえふじ小児科
- 2017年9月20日
- 読了時間: 2分

「RSウィルスが流行っています。」 「調べるように言われました。」
と言われることがよくあります。
検査は必要なのでしょうか??
RSウィルス感染症という病気、皆さんに知ってほしいと思います。
●RSウィルス感染症ってどういう病気??
RSウィルスは、乳幼児の冬の「かぜ」の原因となるウィルスの代表選手。
生後1歳までには半数以上、2歳までにはほぼ100%が少なくとも一度は感染します。
多くの場合、せき、鼻水の軽症ですみます。
生後数週間~数カ月の乳児が感染すると、肺炎などの重篤な症状を引き起こす恐れがあります。低出生体重児や心臓や肺の基礎疾患、免疫不全がある乳児は、重症化のリスクが高まります。
乳児期にかかるとゼイゼイをおこしやすい病気ですが、RSウィルスそのものに効くお薬はありません。抗ウィルス薬があるインフルエンザとはこの点が大きく異なります。
そのときの症状でお薬の内容や治療が変わります。
症状がどうかをみることが大切になる病気です。
●RSウィルス感染かどうか検査は必要??
ウィルスが検出されようと、そうでなかろうと、治療や注意点に大きな違いはありません。
RSウィルスの検査が国の方針として認められているのは、 入院中の患者、1歳未満の乳児、低出生体重児や心臓や肺の基礎疾患、免疫不全がある乳児となります。
RSウィルスの感染の有無を検査し、感染を確認した子だけを数日休ませてもあまり意味がありません。周りの大人や子どもの「軽い風邪」の中に、気付かずにRSウィルスに感染しているケースが多くあるのです。
●RSウィルスの予防は?
一般的な風邪の予防と同じです。栄養のある食事、睡眠をしっかりとり、手洗いうがいを心がけましょう。マスク着用や子どもたちが日常的に触れるドアやおもちゃの小まめな消毒も有効です。早産児や心臓や肺に基礎疾患を有するハイリスクな赤ちゃんはシナジス投与の対象となります。流行が終息すると考えられる時期まで、毎月、筋肉注射を受けることになります。
●RSウィルス流行期に風邪にかかった時は
検査よりも、周りの子どもや成人が、乳児にうつさないように対策することが重要です。咳や鼻水の症状がある場合は、マスク着用や手洗い、うがいをし、可能な限り乳児との接触を避けましょう。